駄文型

意識低い系エンジニアの日記です。

便意はいつでもハリケーン

僕はお腹が緩い。お通じが良すぎるというべきか。便秘知らずで1日に朝昼晩の3回くらいは便意を催し,レストなルームにしばし立てこもることになる。いや,座りこもることになる。

僕自身と違って僕の便意は時間に厳密で,いつも決まった時間にやってくる。朝はちょうど通勤時間から会社に到着するあたりの時間帯で催すことが多い。通勤中に電車を降りて駅のトイレに駆け込んだこともある。相手の都合を考えない身勝手な恋人のようなやつだ。お腹ゆるゆるメンズのみんなならこの気持ちをわかってくれると思う。

先日も会社に到着した直後にマイハニー(便意)がやってきた。だがあと数分で朝礼が始まってしまう。トイレで二人の愛の結晶を産み落とす時間はない。幸い,うちの朝礼はクソブラック会社の営業がやるような長々としたお説教朝礼ではなく,連絡事項を上司がピピッとみんなに伝えて「今日もよろしくね」で終わる簡単簡潔なものだ。1分もかからない。朝礼が終わってトイレにダッシュしてゆっくりハニーと二人の愛を確かめ合えばいい。こんな危機は今までにもあった。僕は耐える選択をした。

予定通り朝礼はすぐにおわった。だが想定外はその後に起こった。一度着席して「あ~やっぱお腹の調子よくねーなー」というようなジェスチャーを周りの同僚に見せつけてから席を立った直後,それはやってきた。

プゥ

ハニーの甘い吐息だ。

僕は便だけでなくガスも溜まりやすいのだ。その音にすぐに反応し,振り返った同僚もいた。だが僕はそれにかまっている余裕がなかった。お産の時はすぐそこまで迫っていた。僕はすぐに駆け出した。

プゥ=3

2発目だ。今日のハニーはじらされて機嫌が悪いらしい。いつもより音が高い。

僕はもう咳払いをして誤魔化すしかなかった。しかし,もうとっくに音はなり終わっているので全く誤魔化せていなかったが,とにかくわざとらしく咳払いをするほかに選択肢がなかった。

僕は職場の冷たい便器の上で,事を済ませた。この日のコンテンツはどことなく甘酸っぱい青春の香りがした。さあ仕事に戻ろう。期せずしてふり逃げをしてしまったあの部屋へ戻らなくては。同僚たちが待っている。何も恥じることはない。ただ腸内の気体が外部に出力されてしまっただけなのだ。地球全体で見れば熱力学第一法則に何ら問題はない。ただ異音をまき散らしながら職場を疾走しただけなのだ。僕はこの程度で取り乱すようなフン別のない人間ではない。

その日は普通に仕事をして,普通に帰った。誰も僕の2度のプゥについて触れるものはいない。僕はとても恵まれた職場環境で仕事をしている。

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