駄文型

意識低い系エンジニアの日記です。

契約がいい加減だから客の要求が膨らむんじゃないの?

通勤や帰宅の時間帯に電車が遅れたとき,僕はよくTwitterを見る。Yahoo!のリアルタイム検索で路線の名前を検索して,電車がどのくらい遅れているかを確認する。そのほうが鉄道会社のサイトを見るよりも,情報が早いし量も多い。どの駅でどのくらい遅れているかがわかるので,自分が乗りたい電車にいつも通りに乗ろうとするとどのくらい遅れてしまうかがなんとなく予測できる。

その中でよく出てくるのが,遅延に関する怒りをぶちまけている人だ。電車が遅れただけで怒る人もいるんだなあといつも思う。あるとき,「これだけ遅れたんだからJRは定期代1日分返金しろ!」と訴えている人がいた。その時僕が思ったのは,そもそも電車の運賃には『定刻通り乗客を送り届けること』を保証する料金は含まれているのか?ということだった。

調べてみたら,原則的に特急券や指定席の代金以外は払い戻しされないようだ*1。運賃はあくまで移動にかかる料金だけで,定刻通りに到着することは保障していないということだろう。それでも遅延した電車に文句を言う客が出てくるのは,彼らがそのことを認識していないから,というのも一因として存在するのだろう。

何にどんな料金がかかっているか明記していないと客に追求される

JRの場合は運賃は移動にかかわる料金だけですよという態度を明確にしているようだが,料金に何が含まれるのかをあいまいにしてしまうことは客の追求に対する隙を与えてしまうことにならないだろうか。

例えばIT系にかかわるエンジニアの愚痴としてよく出てくるのが,顧客の急な仕様変更だ。それって契約時に後からの仕様変更について取り決めておかなかったの?と思ってしまうケースが僕の周りには見られる(一般的にどうなのかは知らない)。エンジニアが働いた分を人件費として顧客からもらっているんだったら,仕様変更によって後戻りが発生して工数が増えてしまったら,見積もり時と違うコストが発生して利益がどんどん減ってしまう。そういうことを避けるための予防策って打っていないのだろうか。「後戻りは別料金ですよ」という契約ってできないのだろうか。

料金を分割する

五反田に原価バーという店がある。客から入場料を徴収し,飲食物の料金には利益が乗っていないというコンセプトのようだ。

1600円~※ の入場料を支払うだけで、店内のメニューはすべて原価で楽しむことができるシステムとなっております。お店側の利益は、お客様から頂戴する入場料のみ。 とてもわかりやすいシステムです。

原価BAR:美味しい料理も、高級酒もすべて原価!

店の利益は入場料のみとのことだが,店を運営するコストを考えれば利益は入場料よりも少なくなるし,そもそも飲食物に利益が乗っていない(販売価格と仕入れ価格が同一)という証拠は多分客は入手できない。まあそのへんの細かいところはいいとして,この店の客は飲食物に支払う料金とサービスに支払う料金を別々に払うことになる。そうすると,「この料理に○○円は高すぎる。そんなにコストは高くなっていないはずだ。そもそも原価は云々」などと言い出すいわゆる原価厨の発生を抑えられる。

飲食店として東京に3店舗として構える以上,飲食物の料金の方に利益が入ってなかったとしても店側が得る利益は他の普通のシステムの店と大きな差はないはずだ。実際,五反田店と赤坂店と銀座店はそれぞれ入場料が違うみたいだし。もちろんシステムが違うため,それぞれの客から得る利益の分布に違いはでるだろう。普通の店の場合,客の注文数とその客から得られる利益はだいたい正比例するはずだが,この店の場合得られる利益は理論上一様になる。だが総合的な店の利益が変わらない(と思われる)以上,単に料金を飲食物代とそれ以外に分割しただけに思える。だがそうやって料金を分割することは,ある意味で防御になるし,上手くやれば客の納得感を上げられるのではないだろうか。

契約を細かくすればすべて解決するとは言わないが,いずれにせよいい加減な見積りは滅びなければならない。

ソフトウェア見積り 人月の暗黙知を解き明かす

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